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信頼のスター

ここには、当サイトの本編では十分にお伝えしきれなかったことや、トラウマやPTSDの理解に役立つ関連情報をお伝えしていきます。
あなたの関心に合うものが見つかったら、幸いです。

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信頼のスター

人は、だれかにだまされたり、傷つけられた経験をすると、「もう誰も信じられない」と考えるようになることがあります。
「信頼のスター」は、例えば自分とかかわりのある人をどれくらい信じられるかいろんな側面から考える際に使用するシートです。信頼のスターは信頼の種類(何を信頼するか)と程度(「信じられる、信じられない」)を視覚的に確認することができます。信頼とはどういうことかについて(極端になっていないかどうか)改めて考えることで、信頼の捉え方について考え直すヒントを与えてくれます。

スターの意味

スターの中心から放射状に延びている線はそれぞれ信頼の種類や信頼の程度を確認するために使います。具体的にはいくつかの信頼の種類を選び、線上に書き込み、信頼の強さ(程度)を×印でプロットすることで信頼を可視化することができます。
例えば、同じ人であっても信頼の種類によって信頼度に差異があるかどうか、また同じ信頼の種類であっても、相手によって信頼度に違いがあるかもしれません。
スターにより信頼を視覚的に確認できることで、自分が相手に求める信頼の内容(種類)や信頼度(程度)がどうであるかが見えてきます。信頼に対しての極端さ(「まったく信頼しない」か「何でも信じすぎる」)や相手をよく知るまで(情報を十分に得られるまで)その相手との信頼について判断するのは適当でないことに気づくかもしれません。

使い方

  1. ワークシートを数枚用意します。
    ▼こちらのサイトからダウンロードできます
    https://www.seishinshobo.co.jp/book/b10135188.html
  2. あなたが思いつく信頼の種類を挙げていきます。※10個程度
  3. だれについての信頼を考えるか特定の人を1人思い浮かべます。
    たとえば「身近な相手 (例:家族、友人)」や「信頼が必要な人 (例:教師、医師、美容師、運転士)」など実際に関わり合いのあった人を挙げます。
  4. どんなことを信頼していますか?(例:話を聞いてくれる、約束を守る、髪を切るなど)
  5. その信頼の種類に記入した内容が「-(信頼できない)」もしくは「+(信頼できる)」のいずれであるかを判断し、そのスターの線上に信頼の種類を書き込みましょう。
  6. その信頼はどのくらい強いでしょうか?(例:全く信じない~全て信じる)
    スターの線上に記入された信頼の種類について、「相手の情報は何もない」ところから始め、どのような情報があるか探していきながら信頼度を決め、“×”印をプロットしましょう
  7. 1人の人について信頼のスターが完成したら、3)で挙げた他の人についても信頼のスターを作成してみましょう。
  8. 数枚作成したら、それぞれを見比べ(共通点や異なる点)ながら、相手によってどの側面の信頼が重要なのか確認しましょう。
    また、信頼の程度も「全か無」の2択でなく、「わずか」から「大いに」まで連続上であることも確認しましょう。

文:牧田潔